QR コードに未来はあるか?

■ iPhone の NFC サポート
  QR コードに未来はあるか?

最新リリースの iOS13 において、iPhone の NFC 対応( IC カード読取)が大幅に強化されました。

これまでの iPhone には NFC 対応のハードウェアが装備されていましたが、 ApplePay以外での利用は制限されていました。これが「 CoreNFC 」として開発者に公開され、ユーザーが独自に NFC 対応のアプリ(スイカや免許書を読みとるアプリ)を開発できるようになりました。

Android は一部の端末でNFC対応を行っていましたが、今回の iPhone のサポートは、非常に大きな意味を持つことになると考えています。

現在、決済の分野では「 XXX Pay 」と呼ばれる QR コードを用いたキャッシュレス決済が盛り上がっていますが、中国のように NFC デバイスが全く普及していない地域においては、QR コードが初期導入コスト的に有利であり、それ故に短期間で急速な広まりを見せ、その流れは日本にも波及しました。

しかし、日本では、

・iPhone のシェアが他の先進国に比べて圧倒的に高い。
(米国よりも30ポイント近く高い)

・NFC チップの普及率が圧倒的に高い。
(スイカやパスモなど交通系 IC カード普及による)

・公的な個人 ID (マイナンバーカード、免許証、パスポートなど)で、すでに NFC ( RFID )対応がされている。

と、IC カード対応のスマホが倍増し、全く違った話になる可能性があります。

上記の eKYC においても、現状では「免許証を写真で撮影」ということを行っていますが、iPhone で NFC を使い、免許証に内蔵された暗号化された情報を直接読み取る、ということも可能になり、「本人確認」が、より安全に、より使いやすくなります。

国税庁では、確定申告を行うのに、スマホから直接マイナンバーカードの IC を読んで、スマホだけで申告が完結するようなアプリを準備中です。

さらに、最新機種の iPhone11 では NFC タグでアプリを起動することも可能であり、「 NFC タグにあらかじめ登録しておいた動作(例えばニュース閲覧や株価のチェックなど)を、NFC タグをピッとするだけで起動」ということも可能になります。

現状の QR コードにしても「免許の撮影」にしても「カメラ」の技術から抜け出せていません。

「カメラを起動・撮影」というアクションは「 IC カードをピッ」に利便性では大きく劣ります。

NFC が、デジタルトランスフォーメーション( DX )を大きく動かすカギとなりそうです。

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